平屋の後悔ポイント4選|建築士の妻と建てた我が家の本音
「平屋っておしゃれだけど、実際に住んだら後悔しない?」
家づくりを調べていると、平屋の魅力と同じくらい「平屋 後悔」「平屋 やめとけ」という言葉が目に入ってきますよね。建ててから気づいても、家はやり直しがききません。
わが家は、二級建築士の妻が設計した木造平屋(延床約26坪・2LDK)に、夫婦と小1・年中の娘2人の4人で暮らしています。敷地は約118坪、広い芝生の庭つき。2025年3月に完成し、今年で築2年目です。
先に結論を言うと、建築士が設計した家でも、後悔ポイントはゼロではありませんでした。 ただし、そのほとんどは「事前に知っていれば防げたこと」です。この記事では、わが家のリアルな後悔と、逆に「平屋にして本当によかったこと」を包み隠さずお伝えします。
わが家が平屋を選んだ理由
わが家のコンセプトは「庭とつながる家」でした。
妻(二級建築士)が設計でいちばんこだわったのは、大開口のリビング窓と特注の木製サッシ、そして「座る場所からの視線」です。リビングのソファに座ると築山のある庭が、ウッドデッキに腰かけると遠くの森が見える。目線の先の景色まで計算された設計になっています。
実は、敷地の約半分が農地で建てられる範囲に制限があり、計画はL字型の変形地からのスタートでした。まわりに畑や古い建物が多い土地柄なので、風景になじむよう屋根はシンプルな切妻に。ウッドデッキの先には3畳ほどの木造の離れ小屋があり、「外に出たくなる仕掛け」として子どもたちの遊び場になっています。
子育て世帯にとって、家族の気配がいつも感じられるワンフロアの暮らしは大きな魅力でした。とはいえ、実際に住んでみて「これは想定外だった…」ということもあります。まずは後悔したことから正直にお話しします。
平屋に住んで後悔したこと4つ
後悔①:収納が足りない。子どもの成長は想像以上に早い
いちばんの後悔は収納の少なさです。
建てた当時は下の子がまだ小さく、収納は足りているように見えました。ところが上の子が小学校に上がったタイミングで、ランドセル、教科書、学用品、作品…と物が一気に増え、収納場所が足りなくなりました。
わが家にはリビングに造作ソファがあるのですが、いま思えばソファの下に引き出し収納をつけておけばよかったと本気で思います。造作家具は「デザイン+収納」を両立できる絶好のチャンスなのに、そこを活かしきれませんでした。
対策: 収納量は「今の持ち物」ではなく「子どもが小学生になったとき」を基準に計画すること。造作家具には収納機能をセットで検討するのがおすすめです。
後悔②:大雨の日、屋根の音が響く
平屋は2階がないぶん、屋根がすぐ頭の上にあります。ふだんは気になりませんが、大雨の日は雨が屋根を叩く音が室内に響きます。
二階建てなら2階の空間がクッションになりますが、平屋はこれが構造的な宿命。夜中の豪雨で目が覚めたことも一度や二度ではありません。
対策: 屋根材の選定と屋根断熱(遮音)の仕様は、設計段階で必ず確認を。「雨音はどのくらい聞こえますか?」と施工会社に質問するだけでも意識が変わります。
後悔③:換気口の位置と浄化槽の位置。臭いを吸ってしまう
これは盲点でした。わが家は浄化槽を設置しているのですが、換気口(給気口)の近くに浄化槽があるため、風向きによっては臭いを室内に吸い込んでしまうことがあります。
間取り図だけを見ていると、換気口と浄化槽の位置関係まではなかなか意識が回りません。設計者である妻でさえ、住んでから気づいたポイントです。
対策: 建物の間取りだけでなく、浄化槽・エコキュート・室外機など屋外設備の配置図と、給気口の位置を重ねてチェックすること。田舎で浄化槽エリアに建てる方は特に要注意です。
後悔④:芝生の庭は、正直めちゃくちゃ手がかかる
広い芝生の庭はわが家の自慢ですが、維持はラクではありません。
- 夏は毎朝30分、手作業で水やり
- 毎週末、草刈りと草むしりで約2時間
これが現実です。土地120坪のうち庭が大部分を占めるので、放っておくとあっという間に雑草だらけになります。「庭付き平屋」に憧れる方は、この時間コストを覚悟しておいてください。
対策: 庭の全面を芝生にせず、防草シート+砂利や人工芝のエリアを組み合わせると管理はかなりラクになります。外構計画の段階で「手入れに使える時間」から逆算するのが正解です。
逆に、平屋にして本当によかったこと
後悔ばかり書きましたが、それでもわが家は平屋にして大正解だったと思っています。
よかった①:家族がいつも一緒にいる実感
ワンフロアなので、家のどこにいても家族の気配を感じられます。子どもが小さい今の時期、「いつも一緒にいる」という実感が持てる間取りは、何にも代えがたい価値です。
よかった②:庭が最高の遊び場になる
庭には、工事で出た残土を再利用して築山(小さな山)を作りました。あえて塀で囲いすぎず、庭を地域にひらく外構計画です。子どもたちは毎日のように外遊びを楽しんでいて、引越し前のアパートで使っていたテレビボードの板材を再利用した手作りの滑り台がお気に入りです。おもちゃを買わなくても、庭そのものが遊具になります。
よかった③:BBQもキャンプごっこも気兼ねなくできる
広い庭では、週末にBBQをしたり、テントを立ててキャンプごっこをしたり。家庭菜園ではきゅうり、トマト、なす、大葉、サツマイモ、枝豆を育てていて、子どもと一緒に収穫するのが夏の楽しみです。
ちなみに、気になるお金の話も少しだけ。固定資産税は初年度78,000円でした。土地の約4割(庭部分)が農地扱いになっているため、想像より安く済んでいます。建築費は、本体が2,900万円台(税別)、離れ小屋が約130万円、外構・植栽が約240万円。※金額は建築当時のもので、税評価は地域や条件によって変わります。
後悔しない平屋づくりのコツ3つ
コツ①:間取りの提案は必ず複数社を比較する
わが家は妻が建築士なので設計は身内で完結しましたが、それでも他社の間取り提案は参考資料として集めました。1社だけの提案では、その間取りが良いのか悪いのか、判断基準そのものが持てないからです。
コツ②:土地と建物の「配置」で暮らしやすさはほぼ決まる
日当たり、風の通り、外からの視線、そして後悔③で書いた屋外設備と換気口の関係。これらはすべて「配置」の問題です。間取り図の中身だけでなく、敷地全体の配置図を穴があくほど見てください。
コツ③:外構・庭は「あとで」ではなく建物と同時に計画する
外構を後回しにすると、予算が尽きて庭が土のまま…というのはよくある失敗です。芝生・防草・ウッドデッキ・駐車場まで含めて、建物と同時に計画しましょう。
まとめ:後悔は「知らなかった」から生まれる
わが家の後悔は、収納・雨音・換気口と浄化槽の位置・庭の手間の4つ。どれも致命的ではありませんが、事前に知っていれば防げたものばかりです。
平屋の後悔を防ぐいちばんの方法は、実例をたくさん見て、複数の提案を比較すること。この記事が、あなたの家づくりの「転ばぬ先の杖」になればうれしいです。
